和製英語という日本語はお愛嬌、日本英語Japlishという英語は笑い事ではない。

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Japlish

The truth is, your English is Japlish.

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間違うことを恐れるな、英会話上達法としてこの点を力説する人は多い、しかし誤ることを恐れるべきところで恐れずに誤った人達がいる。英文キャッチコピーという非常に目立つところで、たった1センテンス、2センテンスのまともな英文を作れなかった多くの日本人がいる。この人達は例外なのだろうか。

PART 1. Japlish

以下10文の英語、どう思います。

  1. The truth is, he isn't a monster they try to make him out to be.
  2. American books can at times sell more in Japan than back home in English.
  3. I thought I could mail the box home in time to get to my family for Christmas.
  4. As I look at those years, various things I got to do, I consider myself very fortunate.
  5. If we keep putting off the decision, we are seen just sitting back and doing nothing.
  6. They are still far apart from how much to ante up.
  7. The goal of every aid agency seems to close up shop, its job done.
  8. Coming from the same terrorist group as it is, the threat carries more menace.
  9. Does the law say you can take my stuff because you are going to do with it that is going to be really good for humanity?
  10. Saying sorry is not so difficult if the mistakes you apologize for are not your own than they are yours.

ネイティブぽい英文でしょう。ですが、実は各文に誤りのある全て非文法な英文なのです。平均的日本人が書く全然ネイティブぽくない英文、実はどういうことになっているのでしょうね。この点を検証するのに実にかっこうの証拠品が至るところで見つかりますよ。英文キャッチコピーなんて目立つところにある、目立つための展示作品は、その作者達が脳味噌を絞って創った力作に違いありません。

breakfastとlunchでbrunch(昼食兼用の遅い朝食)、smokeとfogでsmog(スモッグ)、nutritionとpharmaceuticalでnutraceutical(栄養素)とは「サプリメント(supplement)」のこと、同様にJapaneseとEnglishを合成したJaplish(日本英語)なる混成語(blend)をご存知だろうか。

...“Japlish,” the cryptic English poetry beloved of Japanese copywriters (“Your health and loveliness is our best wish,” reads a candy wrapper.“Give us a chance to realize it”)...
出典: Newsweek  2005年3月7日号 p42

「日本のコピーライターにこよなく愛されし難解な英詩」――Japlishがa sort of poetryならその作者もa poet of sorts(詩人の端くれ)にはなりますが、このpoetryにirony(皮肉)以上の意味があるのでしょうか。皮肉っぽい古文調のbeloved of(このofは受身の動作主を示すbyの前身)、皮肉なcryptic(控え目に言ってもcryptic poetryはerratic poetry[ずっこけ詩]のunderstatement)――皮々肉々ながら、しがないk.を詩的なl.に変え、拙いbroken Englishをcryptic English poetryに昇華し、たんなるJaplishのcynicism(冷笑)ではなく、Japlishにlyricism(叙情性)を与えるあたり、さすが如才がなくて詩才がある一流誌のジャーナリスト。

  1. the broken English used by Japanese copywriters
  2. the cryptic English poetry beloved of Japanese copywriters
日本英語 Japlishの2大特色: 1. 非文法
2. 意味不明

Japlishの例として、このジャーナリストが数ありすぎる中から選んだのはお菓子のwrapper(包み紙)のキャッチコピーA、私が選んだお菓子のwrapperのキャッチコピーはキャッチコピーB、どちらのwrapperがよりupperなtopper(傑作)でしょうね。

キャッチコピーA:
Your health and loveliness is our best wish. Give us a chance to realize it.
キャッチコピーB:
A heavy and thick taste-graceful seasoning is one of the things we have most treasured.

キャッチコピーBの謎(「意味不明」の婉曲表現)は主語A heavy and thick taste-graceful seasoning。「調味料」「薬味」のseasoningはflavor(風味)の勘違いでは、ですがここは動詞season(味をつける)の流れで「味付け」「調味」と好意的に解釈するとしましても、「重い」「厚い」のheavy、thickはそも食に通じる形容詞なのでしょうか。

heavyには「胃にもたれる」の意味があり、液体が「濃厚な」のはthick、ですからheavy and thick soupなら「しつこくてこってりしたスープ」で一応食べられますが、a heavy and thick seasoningは英語として食える代物なんでしょうかね。

英語のネイティブにはa heavy and thick seasoningはcrypticと言うよりesoteric、と言うよりlunatic――「難解な」と言うより「深遠な」、と言うより「狂気じみた」a heavy and thick seasoningも私たち日本人には解けなくもない謎。

heavy and thickが意味的にひとつのheavy-and-thickなら、「重い」と「厚い」で「重厚な」と解読、さらにこの「重厚な」は「コクのある」の意と判読できますね。ただし日本語で「重厚な」がそのままheavy and thickに英語変換できるわけがありませんから、キャッチコピーBのheavy and thickは英語の顔をした日本語、面は英語で中身は日本語、さらばこれぞ日本英語Japlishの真面目(しんめんもく)! 食べ方がgracefulでも食べ物や味付けがgracefulであるわけがないtaste-gracefulも「上品な味わいの」と解読、ただしtaste-gracefulは英文法を毒する形態をしていますから、解読する前にgraceful-tastingと解毒する必要がありますよ。

キャッチコピーBの非文法は主語A heavy and thick taste-graceful seasoning、taste-graceful→graceful-tasting以外にもう1箇所訂正の必要あり。3つの修飾語heavy、thick、graceful-tastingはここでは性状を示す同類の形容詞ですからm.かn.。

  1. A heavy and thick and graceful-tasting seasoning
  2. A heavy, thick, graceful-tasting seasoning

heavyとthickが意味的にペアをなしheavy and thickで1つと数える場合もheavy and thickとgraceful-tastingの間にコンマが必要。

  1. a heavy and thick, graceful-tasting seasoning

キャッチコピーBでなく、非文法の非がないキャッチコピーCだったら、以下の不敵なメッセージをこめて英語をからかったジョーク、私なんかは味なまねをするコピーライターと感心するところ。

When we cherish and you relish Japlish, it flourishes.
(我々が愛用し、あなたが賞味するなら、日本英語繁盛)

キャッチコピーC:
A heavy-and-thick, graceful-tasting flavor is one of the things we have most prized.
(コクのある上品な風味は、わたしどもがとても大切にしてきたものに数えます)

ですが1文に2つの「非」では、ヒーヒー言いながらJaplish作り、英語にからかわれている真顔のコピーライターのイメージしか浮かんできませんね。

ところで、以下の例文を掲げ、文法機能を完全に果たしている文でも意味不明は非文法という文法的判断を下したアメリカの言語学者がいるのです。

Colorless green ideas sleep furiously.
(無色な緑念は激怒して眠る)

「緑念」はナンセンスなgreen ideasをナンセンスに訳した私のジョーク、作者は変形生成文法(transformational generative grammar)の開祖ノーム·チョムスキー(Noam Chomsky)、大いに議論を呼び、文法学者作の非文法文が続出、果ては詩人の豊かな想像力をもって解せない意味不明などないとチョムスキーの「名珍文」をモチーフにした一編の詩も登場――ひとつ残念なことは、「意味不明」の元祖Japlishに言及した言語学者がいなかったこと。

ファション界の流行色がどう変わっても、人間界の基調色は当分green――green billは「環境関連法案」、green carは「緑の車」の前に「エコカー」を想起する時代、「環境志向でいく」なら頭韻効果も発揮したgo greenで。

  1. Because of global warming, going green is going global.
    (地球温暖化で環境志向が地球規模になりつつある)

チョムスキーの学術上のナンセンスColorless green ideas sleep furiously.が出た当時は、「地球温暖化」が日常用語化するずっと以前、greenが「環境にやさしい」シンボル色でなかった時代、しかし今は詩人の想像力を必要とせずに5単語中3語colorless green ideasが解せるまでに「緑」化が進んできましたね。

  1. colorless green ideas 「ぱっとしない環境保護のアイデア」

colorless green(無色の緑)のナンセンスにgreen ideas(緑の考え)のナンセンスを重ねたnonsensical nonsenseのcolorless green ideasではありましたが、colorlessはuninteresting、dullの意味で「つまらない」、greenは「環境保護の」、ideasは「アイデア」で今やcolorlessとgreenを組み合わせて矛盾語法(oxymoron)効果を発揮した冴えた「冴えない環境保護のアイデア」に一変――もしチョムスキーの選んだ色がgreenでなくyellowやredだったら、意味的紅葉は起こらず、colorless yellow ideasは今日もナンセンスのまま、と思うと、greenの「変色」で結局は完璧な非文法文を作れなかった変形文法学者チョムスキーは、やはりただ者ではありませんな。ちなみにベトナム戦争では反戦の先頭に立ち、来日したこともありますが目的は反戦活動、その折チョムスキーが意味不明の英文キャッチコピーに包まれたお菓子を食べたかどうかは今もって不明。

[問1]
以下の文に1箇所誤りがある、2通りに訂正しなさい。
  1. Your health and loveliness is our best wish.

2文仕立のキャッチコピーAの非文法はYour health and loveliness is――単数形A、Bがbutter and bread(バターとパン)のようにA and BでA、B2つなら複数扱い、bread and butter(バターつきパン)のようにA and Bで1つなら単数扱い、health and lovelinessは複数扱いになりますね。切っても切れないbread and butterパンのように完全に一体化していなくとも、例えばname(名声)とfame(名声)同義語2つのA and Bは単数扱いが自然(おまけに[neim]、[feim]の脚韻効果が一体化を強化)。

  1. Name nad fame, which disappears like the morning dew, is not worth striving for.
    (朝露のごとく消える名声は労して得ようとするに値せず)

複数扱いのA and Bに所有格を冠してone's A and Bとしてもやっぱり複数扱い、ただしeveryを冠したevery A and Bは単数扱い。

  1. Every man and woman at age 25 or over is eligible to run for the Lower House.
    (25歳以上の全ての男女が衆議院に立候補できる)

複数扱いのhealth and lovelinessにyourを冠したYour health and lovelinessは複数扱い、従ってYour health and loveliness is → Your health and loveliness areと訂正する必要があります。

2つ目の訂正は1つ目is→areの逆でいきましょう。動詞isはそのまま、主語の形態を変える、と言っても、

  1. Your healthy loveliness is...
    (あなたの健康美は...)

と意味まで変わっては「訂正」の行き過ぎ。意味を変えずに形態を変えるとなれは変形、名詞句Your health and lovelinessは動名詞句Your being healthy and lovelyに変形。

訂正文1:
Your health and loveliness are our best wish.
訂正文2:
Your being healthy and lovely is our best wish.

Your health and loveliness are → Your being healthy and lovely isの変形展開で注目すべきは「音」――語尾が共に[i]のhealthy、lovelyで「音」入り「文法プラス技法」展開、さらにhealthy and lovelyの語順を逆転すればすっかり調「音」されたlovely and healthy、キャッチコピーAの非文法を美しく克服したキャッチコピーDが出来上がり。

キャッチコピーD:
Your being lovely and healthy is our best wish. Give us a chance to realize it.

気品のあるYour being lovely and healthy isがlovelyな白鳥なら、Your health and loveliness areはuglyなアヒル――今、変形によって表現力が引き出される瞬間に、あなたは立ち会ったのです。

The duck of “Your health and loveliness are” is metamorphosed into the swan of “Your being lovely and healthy is” by transformation as if by magic.
(まるで魔法のように、変形でアヒルYour health and loveliness areは白鳥Your being lovely and healthy isに変容す)

[問2]
キャッチコピーDのどこが意味不明か。

キャッチコピーAの非文法をうまく乗り越え進化したキャッチコピーD、でも一難去ってまた一難、キャッチコピーAのもう1つの難所「意味不明」も越えてさらに進歩する必要あり。

our best wish、わかったようなわからないような、やっぱりよくわからないour best wish――どこが? と思うなら、あなたはv.=w.で考えているからですよ。

  1. our best wish
  2. the best of our wishes (最良の願い)

さりながらone's best wishes/wish(複数形wishesが標準的)、every best wishは慣用表現、one's best wishes/wish for someoneは「相手の幸福や成功を願う気持」、Give my best wishes to your parents.なら「ご両親によろしく」、手紙の結語With best wishes(my省略)、With every best wishは「ご多幸を祈ります」の意。文法レベルで説明すればこのbestは独立最上級(absolute superlative)で強意語、one's good wishesの強意表現がone's best wishes。

「one's best wishesは慣用表現」を換言すれば、my best wishes、her best wishes、their best wishesと人はmy、her、theirと違ってもbest wishesの中身は同じということ――one's best wishesのwishesに特定の個人の個々の願いをこめることはできないのです。

「変」を? で示した「変」指数

  1. ? Your health is our best wish.
  2. ?? Your health and loveliness are our best wish.
  3. ???? Give us a chance to realize it.

one's best wishesには健康を祈る気持もこもっていますから、your healthとour best wishの相性はよいものの、S(Your health)+V(is)+C(our best wish)とくると両者の関係はぎくしゃくしてしまいます。おまけにlovelinessなんてよそ者(stranger)と連れ立つと、関係はeven stranger「さらにいっそう変な」ものになってきます。「ご多幸」は祈るだけのもので実現するものでないように、one's best wishesはgiveやsendしてもrealizeするものではなく、realize it(our best wish)は「????」、「????」は「意味不明」――実にx.→y.→z.と入念に、キャッチコピーAの作者は「意味不明」を創作したのでありました。

日本語入りした英単語の人気ベスト10(テン)にbest入りは確実――それがベスト、これがベストなやり方、どれがベスト商品・・・私なども、英語教育に対する私の基本姿勢を表明した以下のスローガンでbestを5つもベタベタ使っております。

To the best of my knowledge: whatever is worth teaching is worth teaching best; whatever is worth learning is worthy of being best understood. The best is always by far the best.
(私の知る限り、教えるに値するものなら最もよく教えるに値し、学ぶに値するものなら最もよく理解するに値する。ベストは常に断然ベスト)

best好きな日本人なら誰でも最低これだけは英語で言えると言えるのが「ベストを尽くせ」。

[問3]
bestを使って「最善を尽くせ」を5通りに英訳しなさい。

5つのbestで私の英語教育の基本姿勢を表明したのに続き、もう5つのbestで言語表現に対する英語の基本姿勢を明白にしておきましょう。

  1. Do your best.
  2. Give it your best.
  3. Do your level best.
  4. Do your very best.
  5. Do the best you can.

英語はuniformity(一様)を嫌いdiversity(多様)を好むことば、定番表現があっても定番一辺倒のconformity(遵奉)を嫌うことば――定番Do your best.があっても、それとはかなり表現の違うGive it your best. と出るのは英語の定石、定番にバリエーションをつけるのは英語の十八番、強意語levelを付加してbestを強めたac.、veryで最上級を強める文法的手順に従ってbestを強めたad.、こんなふうにバリエーションのつけ方にバリエーションをつける英語は表現に凝ることば。

aa.→ac.、aa.→ad.の語句レベルの強調に対し、aa.→ae.は構造レベルの強調展開、af.→ag.で2つ目のdoの目的語that(関係代名詞)を省略、ag.→ae.で反復語do省略、私はaf.→ae.の変形的表現展開を反復省略テクニックと呼んでいます。

  1. Do the best that you can do.
  2. Do the best you can do.
  3. Do the best you can.

変形なる文法の仕組を表現力に変える技法展開こそが英語の真髄――だから私は英語は「文法プラス技法」の言語、「文法プラス技法」の英語「大」学習でしか英語はマスターできないと言明するのです。英語の真髄をマスターしていない英語のマスターなんて変な英語のマスターはありえなのです。

語彙力強化は別として、私たちの英語学習·教育は真髄に至るずっと手前の「受験英語」で停止しています。だからベストの努力にもかかわらず英語習得というベストの結果が出てこないのです。進路を英語科や英文科に取っても、学問主導の大学では実用の技である技法は学べないのです。だからそういう学部を卒業した方が英語教師になっても受験英語しか教えられない、教えない現状がいつまでも現在時制で語らざるを得ない英語教育事情であり続けてきたのです。

5つの「ベストを尽くせ」を羅列すると、英語学習でベストを尽くすとはどういうことか一目瞭然――最初の2文は文法、後の3文は技法の領域、英語の表現領域はまさに5分の2が文法、5分の3が技法、ただし最後の2文が文法を活用した技法展開であるように、技法の3分の2は実は文法の応用領域、そしてその中核は変形テクニック――5つの「ベストを尽くせ」は英語を凝縮してそのessence(本質)を示したepitome(縮図)。

Is your best the best? Where English is concerned, doing your best is not enough; you must know the best way to do your best. Stop to think here, and this starts you thinking what's wrong with our English education based on rote learning and memorization. What is needed is the English education that enables you to expect the best from the best you can do. Very much depends on how well to understand English.
(あなたのベストはベスト? 英語に関しては、最善を尽くしているではまだ不足、最善を尽くす最善の方法を知らねばならない。ここで立ち止まって考えてみる、すると丸暗記と暗記を根本とする私たちの英語教育のどこに問題があるのか考え始める。必要なのは、ベストの努力からベストの成果を期待できる英語教育。どう英語を理解するかにかかっていろところ大)

もしキャッチコピーAの作者がこのour best wishはイディオムのour best wishではないと開き直ったら、そのour best wishに運が開けるのでしょうか。確かにイディオムでないイディオムと同形もありえますね。同じout of the boxでもthink out of the boxなら、このout of the boxはunconventionally(型にはまらずに)の意、come out of the boxならboxから特別なものは何も出ず、ただの「その箱から」、ちなみにthink out of the boxはイディオムthink outside the boxのバリエーション。

  1. think out of the box (既成概念にとらわれず考える)
  2. come out of the box (その箱から出て来る)

my best wish for the unidiomatic ”our best wish“(イディオムでないour best wishに幸あれかし)、ですがat bestでv.=aj.あたり。

  1. our best wish
  2. the best we can wish for

aj.ならat best(よくても)どころか、大いによしで開運、と思う方は、the best we can wish forがat bestの意味のbestを際立たせる技法、換言すればat bestの強調構文であることを知らないからですよ。The best we can wish for is that...とくれば、that以下には大望はこず、いわば「小吉」を願う表現――ですからYour health and loveliness is the best we can wish for.は「せいぜいyour health and lovelinessぐらいなもの」なんてお客様に無礼な失言になってしまい逆運を招くだけ。

the best we can sayとwish forがsayになってもat bestの意味合いは同じ、The best we can say is that...と切り出したthat節で大口を叩くわけにはいきません。

  1. We can say at best that...
  2. At best we can say that...
  3. The best we can say is that...
    (せいぜい言えることは・・・)

ak.→al. →am.とbestは際立ち、that節も際立つam.はbestとthat節の両方を強調するak.の技法展開、つまり強調構文(emphatic construction)――以下はam.の表現形式で、at bestの淡い意味的色合いのbestがとっても渋い、このbestのベスト表現とも言えそうな引用文。

In closing the books on 2010, the best that might be said was that it was better than 2009.
(2010年の会計簿を閉じるにあたって、せいぜい言えそうなことは、2010年は2009年よりよかった)出典: TIME 2011年1月10日号 p38

an.→ao.→ap.、仮定法過去mightで「婉曲」、私(I)や私たち(we)を出さない受動態be saidで「ぼかし」――文法の手を加え表現に色をつける、ここではグラデーションをつけるのは英語のお手のもの。

  1. the best I/we can say
  2. the best I/we might say
  3. the best that might be said

淡いbestをさらに淡くぼかした上でthat節のbetter――bestでbetter、このbestとbetterの組み合わせは絶妙。at one's best(最もよい状態で)のような金ピカのbestもあれば、at bestのようないぶし銀のbestもありますが、引用文のいぶし銀は金賞。

[問4]
以下の英文の(      )に前置詞を入れ文を完成しなさい。
  1. Bill Gates has called him ”the best person I know (      ) predicting the future of artificial intelligence.“

前置詞aboutでknow about predicting...、でもいやに簡単だと思うのでは、確かにあなたは大きな誤りを犯している可能性がありますよ。

  1. I know about the deal.
    (その取引のことは知っている)

ar.の自動詞(intransitive verb)のknowではas.の文法は支えられませんね。

  1. the best person I know about predicting the future of artificial intelligence

the best personとIの間に省略されている関係代名詞that(the best person that I know about...)がknowの目的語として機能しなければ文構造は壊れてしまいます。ですからas.のknowは他動詞(transitive verb)であることが必要、もっともat.のknowは他動詞、as.のknowも他動詞ということなら了解。

  1. You must know something about the deal.
    (その取引のことで何か知っているはずだ)

それにしてもここまでbestできたのだからthe best personのbestが怪しい、と勘ぐるなら、そのbest勘はgoodですよ。

[答]
  1. Bill Gates has called him ”the best person I know at predicting the future of artificial intelligence.“
    (ビル·ゲイツは彼[Raymond Kurzweil]のことを「私の知っている限り、人工知能の未来を予知することに最も長けた人」と呼んでいる )出典: TIME 2011年2月21日号 p27

前置詞atに面食らってknow atなんて句動詞(phrasal verb)があったかなと辞書を調べることになるのは、aboutとatでは文構造がまるで違うことがわかっていないからですよ。括弧くくり(bracketing)すると「まるで」一目瞭然。

Bracketing1:
  1. the best person [I know about predicting the future of artificial intelligence]
  2. the best person [I know] at predicting the future of artificial intelligence
Bracketing2:
  1. [the best person [I know about predicting the future of artificial intelligence]]
  2. [[the best person [I know]] at predicting the future of artificial intelligence]

全体を括弧くくりしたBracketing2.では、as.は右側に括弧が伸び、au.は左側に括弧が伸びる、専門用語を使えばas.は右枝構文(right-branching construction)、au.は左枝構文(left-branching construction)、「まるで」がくっきり浮かび上がります。aboutの前置詞句はknowを修飾し、atの前置詞句はthe best personを修飾するのですから、まるで違うのです。

ここまで説明してまだthe best personのbestとatの関係にピンとこないならまるでわかっていない――a person who is good at English(英語の得意な人)が「まるで」になるのは受験英語の受難者になってしまっているからですよ。技法レベルのau.(原文)を文法レベルの表現に言い換えるとav.。

  1. the person who I know is best at predicting the future of artificial intelligence

さらにav.はふつう省略できない主格の関係代名詞whoを省略する特色のある表現展開も可能。

  1. the person I know is best at predicting the future of artificial intelligence

av.からau.が変形生成するわけではありませんが、2つの表現形式には表(文法)と裏(技法)の表現関係があります。奥深い英語は表より裏の方が輝いている奥ゆかしいことば。

以上のごとく、英語のbestを学習するだけでなく、bestで英語を学習するのがbestのbest学習、キャッチコピーAのour best wishのbestにもけりをつけましょう。

our best wishの問題はwishでなくbest、best wishで何が望みだったのか、「何よりも望むこと」だったらbestでなくdearest――our dearest wishでキャッチコピーDの「意味不明」を克服でキャッチコピーEで一応めでたし。

キャッチコピーE:
Your being lovely and healthy is our dearest wish. Give us a chance to realize it.
(すてきで健やかなあなたが切なる願い。かなえる機会をくださいな)

2度めでたし、めでたしなら、この先はプロの英文キャッチコピー――「かなえる機会」を与えるためには、あなたは美容と健康のためにこのお菓子を食べなきゃならない、こんなおふざけにourでは生まじめすぎる、ourでは「食べてよ」の裏心「買ってよ」も出る、ここはキャンディーちゃんになってmy。そこで甘くもせつないキャンディーのキャッチコピーF。

キャッチコピーF:
Your being lovely and healthy is my dearest wish. O sweet! I yearn for your teeth. Please eat me.
(すてきで健やかなあなたがわたしの切なる願い。おおスイート! あなたの歯が恋しい。ねえ食べてよ)

修辞学(rhetoric)で漸降法(anticlimax)と呼ぶ技法がキャッチコピーFのテクニック――荘重な調子でまじめなことを言った直後に変調、こっけいなことを述べてすとんと調子を落とす漸降法は仕掛ける手法、キャッチコピーFは1.→2.と上げ、→3.→4.と下げる4段仕立て。

漸降法
anticlimaxという名のclimax

  1. Your being lovely and healthy is my dearest wish.とまじめ調で殊勝なことを言う、このmyがキャンディーちゃんだとはつゆ思わない。
  2. O sweet! 一気に調子を上げる、お菓子はsweet、あなたはキャンディーちゃんのsweetheart(恋人)、have a sweet tooth「甘党である」あなたが本命。O sweet! はお菓子のキャンディーちゃんのおかしなおかしな絶叫。
  3. I yearn for your teeth.のteethであれっ? 、これで「変」調。
  4. ショッキングなまでにこっけいなeat meで落ちがつき、すとんと調子が落ちる。

I、my、meの格変化でmy→I→meと転調するあたりはさすが英語教育家の英文キャッチコピー、でしょう。

キャッチコピーG:
Your sweetness and kindness is my best hope. O sweet! I'm dying to dive into your mouth. Give me a hand, please.
(やさしく親切なあなたが頼みの綱。おおスイート! どうしてもあなたのお口に飛び込みたいの。手伝ってよ、お願い)

頭韻を踏むdyingとdiveで必死のダイビングとなったキャッチコピーGはFの姉妹作、dyingはyearnの、your mouthはyour teethの、Give me a hand, please.はPlease eat me.の言い換え。キャッチコピーAと比べるとour best wishで捨てたbestにもmy best hopeと希望が生まれ、Your health and loveliness isで捨てたisもkindnessの意味もあるsweetnessでYour sweetness and kindness isと蘇生、isはareよりおしゃれ。姉と比べると、妹のキャンディーちゃんは初めからyour sweetness and kindnessがmy best hopeとすがり、終わりはplease、最初から最後まで「お願いしま〜す、お願いしま〜す」の選挙型、candidateのCandyちゃんに清き一口を!

英語学習とは学習者のレベルを英語のレベルまで引き上げることで、英語のレベルを学習者のレベルまで引き下げることではない。

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