A friend in need is a friend indeed. このことわざと Practice makes perfect. の共通点は?

英語の諺(ことわざ)A friend in need is a friend indeed. の a friend in need も Practice makes perfect. も英語の技法の文法超越

English sayings speak volumes about English.
英語の諺(ことわざ)は英語を大いに語る

A friend in need is a friend indeed.
(まさかのときの友が真の友)

When a friend of yours is in trouble and in need of help, are you more than happy to lend a helping hand? If so, you are “a friend in need” for that friend in need indeed.
(あなたの友人が困っていて助けが必要なら、喜んで手を差し伸べますか。そうするなら、確かにあなたはその困っている友の「まさかのときの友」ですね。)

[問1]
以下の文を3通りに英訳しなさい。

自分はほっそりしていると思いなさい。

  • You are what you eat.
    (ことわざ:健康は食にあり)

直訳すると「あなたはあなたが食べる物である」、すると「あなた」が「食べ物」になってしまいますが、これは健康に果たす食品の重要性を力説した大胆な表現――この表現的大胆さゆえに、意味内容も大きくふくらんで、文化的背景から個性まで含め、食べる物は食べる人を表す、「食は人なり」とも訳せる You are what you eat. になっています。ですがおデブさんを見ていると、私なんか頭の中でつい、つい現在形 eat が完了形に語形変化してしまっていますね、悪しからず。

  • You are what you have eaten.

「自分はほっそりしていると思いなさい」――これは痩せようとしてやせられないやるせないおデブさんへのアドバイスですよ。子供の頃もおデブさんだったら、ブタ! なんて悪口を言われたことが一度や二度はあるもの、大人になった今はブッダ(仏陀)の尊い教えに耳を傾けるのも一考。

You are what you think, and you will be what you will think.
(あなたが思念するもの、それがあなたであり、思念するものへとあなたはなる。)

この教えをおデブさんが実践すると「自分はほっそりしていると思う」ことになり、[問]で英作を実践すると、あなたの英訳は以下の3文になるのでは。

  1. Think you are thin.
  2. Think yourself to be thin.
  3. Think yourself thin.

to be 省略で b. → c. は変形展開――2文の英訳は私も同じ、違いは b. → c. をさらに一歩進めた c. → d. の大胆な文法的飛躍。

[答]

  1. Think you are thin.
  2. Think yourself thin.
  3. Think thin.

think の目的語 yourself 省略は非文法、ですから e. → f. の文法的飛躍には文法的墜落が待っています。yourself を減らして Think slender. とすれば文はスリムになりますが、文法をすり抜けることはできません。

  1. Think yourself slender.
  2. *Think slender.

Think slender. が × で Think thin. が となる方式は、thin + k = think の等式―― Thin-k thin. と「thin」の連続反復で thin、think の chemistry(相性)を最大限発揮、その表現効果で文法を超えたわけ。

技法が文法を制し、表現力で文法を超える――そんな「超えた表現」を1つ、2つ挙げてみてください。英文法の水平線のかなたに視線を投じる必要はありませんよ、足下をよく見れば、日常会話表現の中にも見つかる筈。

  • Long time, no see.
    (お久しぶり。)

Long time, but no see. の接続詞 but を放擲した並列(parataxis)自体も文法を超えた表現技法ですが、no seeing ではなく、文法的無茶を承知の上で no see と文法的茶目っ気を出したところが Long time, no see. の味噌。see に -ing の尾をつけ、他の語を加えて表現的に水増しすると、「味噌」は以下のような文法味の味噌汁になります。

  1. It has since been a long time, but there has been no seeing of you.
    (あれ以来随分と経つけれどお会いしていませんね。)

表現力のある非文法は円熟した文法力の現れ(no see なんてふるったことは、よほどの英語無知か、かなり英語通の表現)とも言えますが、非文法の表現的インパクトで文法を超えた、非にあらずの非文法表現がありますね。

  • Look at you.
    (慣用表現:なんてざまだ。)

一見して、これはイディオム、なんとなればこれは一見して非文法――こんな非文法が通用するとすれば、それは慣用以外に考えられません。Look at you. のどこが非文法? とおとぼけでなく本気で思えるなら、あなたは寝ぼけていますよ。洗面台の「鏡で見てみなさい」。

  1. *Look at you in the mirror.
  2. Look at yourself in the mirror.

イディオム Look at you. はネガティブな意味だけでなく、肯定的な意味合いでも使いますが、基調は「驚き」――実際、Look at yourself. でない Look at you. 自体がびっくり表現、実際、非文法であるところに表現力があり、この表現力で文法を超越した Look at you. は「非のうちどころもない非文法表現」、実際、非文法をも表現力に変えてしまう英語なることばは本当に非凡。

[問2]
あなたには a friend in need はいるか。

もしあなたが a friendとin need の切っても切れない仲を知らずに a friend(友)と in need(困って)をくっつけたら a friend in need は「困っている友」になり、そう言えば最近リストラで首を切られた山田がいたなあ、なんて困った話になってしまいますね。those in need(困っている人々)とは those who are in need のこと、j. のイコール関係を a friend in need に適用すると k. のイコール関係になります。

  1. those in need = those who are in need
  2. a friend in need = a friend who is in need

しかし実際のイディオム a friend in need は「困った時の友」で以下のイコール関係。

  1. a friend in need = one who helps a friend who is in need

英文法は k. なのに英語は l.、文法を超えた a friend in need は英語の自己超越――ですが「困っている友」から「困っている友を助ける友」への立場の逆転、こんな快挙を a friend in need 単独でやってのけることができるわけがありません。a friend in need の文法超越の跳躍板は以下の諺。

  • A friend in need is a friend indeed.
    (ことわざ:まさかのときの友が真の友。)

ぴったり息の合った語尾「d」のトリオ friend、need、indeed の文頭 A friend in need、文末 a friend indeed の照応はぴったり、in need を1語と見れば indeed と頭·脚韻を踏むこの照応は絶妙――この妙で A is B. 構文にのせて a friend in need = a friend indeed とくれば、a friend in need が「困っている友」から「困った時の友」にすんなりすり替わる、この「妙」に文法を超越する妙案あり。

技法の視点から見ると、Think thin. と A friend in need is a friend indeed. は親類――共に「同音反復テクニック」、thin + 子音 [k] = think、a friend in need と a friend indeed は子音が1つ( [n] と [d] )違うだけ、Think yourself thin. → Think thin. で表現が簡潔化したように同音反復テクニックの巧みで諺の中の a friend in need は簡潔の極み。

[問3]
「まさかの時の友」を英訳しなさい。

a friend in need のような超越英語ではなく、標準英語で訳してくださいよ。

[答]

  1. a friend you can count on when in need (9語)
  2. a friend to be counted on in time of need (10語)
  3. a friend in your hour of need (7語)

語数から見た簡潔度は n.、m.、o. の順に高くなりますが、m. が n. より1語減なのは m. の元の文である p. から関係代名詞 whom と when 節の you are の3語を省略した成果。

  1. a friend whom you can count on when you are in need (12語)
  2. a friend in need (4語)

p. と q. の語数差は実に8語、「まさかの時の友」を簡潔の極まで追求した a friend in need は表現的「まさか!」――この究極の「まさか」に自らの表現力を限界まで希求してやまない英語のスピリットが顕現しています。a friend in need は英語の a poster child と言えますね。

A friend in need is aglow with the spirit of English indeed.
(a friend in needは確かに英語のスピリットに照り輝いている。)

文法超越で簡潔の極みに至っただけでなく、「困っている友」から正反対の「まさかの時の友」に変身した a friend in need、そんな a friend in need の3つの個性――「文法超越」「簡潔の極み」「正反対」――を具えた輩(ともがら)がいるのですね。見た目はかなり違いますが、性格はそっくり、同じ英語魂の持ち主、a friend in need の友を本講座で初紹介させていただきます。

[問4]
以下の2文が同義となるよう、空所に適語を1語ずつ補いなさい。
  1. Such half measures would have the opposite of the effect that is intended.
    (そんな中途半端な措置では意図した効果の逆になるだろう。)
  2. Such half measures would have (   )(   )(   ) that is intended.

問題箇所 the opposite of the effect that is intended だけを取り上げてみましょう。t. は u. に書き換え1語節約することもできますね。

  1. the opposite of the effect that is intended (8語)
  2. the opposite effect of what is intended (7語)
    (意図していることの逆効果。)

問題はさらに1語減で6語の v.。

  1. (   )(   )(   ) that is intended (6語)

[答]

  1. Such half measures would have the opposite effect that is intended.

the opposite effect that is intended の文字通りの意味、つまり文法上の意味は「意図した逆効果」――しかし、the opposite effect that is intended の実際の意味は「意図した逆効果」ではなく「意図したものの逆の効果」、つまり w.。

  1. the opposite effect that is not intended
    (意図していない逆効果)

つまりv. = w.。

v. the opposite effect that is intended
= w. the opposite effect that is not intended

文法的には肯定(that is intended)と否定(that is not intended)で正反対である v. と w. が同義――こんな信じられないことも、技法の文法超越という英語の自己超越現象を想起すれば、文法超越で a friend in need が「困っている友」から正反対の立場の「まさかの時の友」に変身した前例に照らせば信じられますね。「超越」の effect が超簡潔表現である点も、a friend in need と the opposite effect that is intended は共通しています。

タクシーの運転手に「次の角を右に曲がってください」と言うのを「次の角を左の反対に曲がってください」とか「右の反対の反対に曲がってください」と言えば、角を曲がる前に角がたってしまいますね。A効果とその反対に当たるB効果があるとしましょう。意図しているものがBであれば、「意図したB」といい、「意図したAの逆効果」などともって回った言い方はしない筈、文字通りの意味で the opposite effect that is intended なんて言う天の邪鬼は世の中にそんなにいないだろうという常識的判断がこの文法超越を可能にしているわけです。

  • Practice makes perfect.
    (ことわざ: 習を完するは練。)

この英語の諺がお馴染みなのは、なんと言っても英語の上達法は「Practice makes perfect. 習うより慣れよ」、と英語を深く、積極的に教える必要を感じない方々がこの諺を盾に取ってきたからですね。全体3語、文頭·尾は共に語頭「p」で2音節の practice と perfect、美しい造りのたった3語で「練習を積めば完璧になる」を言い切れば、これはもう簡潔美の極み――ですがこの諺の文法的造りはどうなっているのでしょうか。

  1. Practice makes what you have been learning perfect.
  2. Practice makes perfect what you have been learning.
    (練習を積めば習ってきたことが完璧になる。)

重たい目的語 what you have been learning が補語 perfect を乗り越えて文末に移動する x. → y. の変形は重名詞句移動heavy-NP-shift)、この目的語を省略して Practice makes perfect. と変形生成するのは非文法――しかし実際は非の打ちどころもない perfect な英語表現の超一級品、ということは取りも直さず Practice makes perfect. は技法が完全に文法を制しているということ。

遠い昔、文法超越をやってのけたどこぞの誰かさんは、これは諺として後世に残る会心の作と悦に入ったかもしれませんが、遠い未来の遠いどこぞの国でノンネイティブの英語上達法として箔がついているとは夢想だにしなかったでしょうね。垢がつくより箔がつく方がいいにきまっていますが、文法を超えた美しい造りの Practice makes perfect. を見て英語の本質「文法プラス技法」に気づかない方の目には垢がべったりついていますよ。Practice makes perfect. という表現自体が英語をマスターするのにどのような学習が必要なのか雄弁に語っていると私には思えるのですが… a friend in need も同感だと思いますよ。

[問5]
「a friend in need」の反意語句は何か。

「まさかの時の友」の反対は「まさかの時に頼りにならない友」になりますね。

[答]

a fair-weather friend (好天の友)

Be a friend in need, see a friend when in need. まさかの時の友たらば、まさかの時に友を見る

 ^^ Back to Top

どだい、土台が違う

木造平屋建ての土台でビルは建てられない。3階ビルの土台に30階高層ビルは建たない。英語ができるといっても、いわば平屋の英語力と、いわば高層ビルの英語力の違いがある。

どこまで英語力を伸ばせるか。
どこまで実力が積み上がるか、
それは、土台で決まる。

世に、ネイティブ級ライティング力の超高層英語力を
現実に実現できる英語教育は、TMシステムあるのみ。

TMシステム
(The Thorough Mastering System)
英語の文法と技法の全容を実際的に深く、
深く実際的に教えきる初の英語習熟教育。

重たい英語学習を避けるなら、
どこまでも、どこまでも、どこまでも
軽い英語力でいくしかない。
深い英語学習を避けるなら、
いつまでも、いつまでも、いつまでも
理解の大不足のままでいるしかない。