英語教育のプロとアマ:『英標』はアマの指標英語は甘くない

英語習得が英語学習の目的になっていない英語教育はアマチュアの英語教育である。『英標』はアマ英語教育の限界を示す指標である。英語は甘くない。

You have a choice. But you have no choice but to choose “pro” when it comes to never failing to master English thoroughly.

英語教育にもプロとアマがある。英語習得を達成できる英語教育がプロであり、それは、英語の文法と技法の全容を実際的に深く、深く実際的に教えきるTMシステムのことである。

英語教育のゴールは、言うまでもなく、英語の完全習得であるが、この道を進んで行けば必然的にゴールに至るという道、つまり、英語学習システムが確立されていなければ、ゴールは架空のもの、たんなる理想にほかならない。

英標』はいわばアマ英語教育の代表作である。

『英標』例題1:
 プロ英語教育にあって、アマ英語教育にないもの

結論的に言うと、『英標』の解説は以下4つの英語構成要素を欠いている。

変形(transformation)」とは「意味が変わらずに形態が変わること」である。「変形技法(transformational technique)」とは「表現効果を高めるために変形を応用、活用する技法」である。

高校の読解授業であれ、大学のリーディング授業であれ、読解問題集であれ、先生も教授も著者も、実に気安く句読(punctuation)と冠詞(article)を無視するが、ライティングでは句読も冠詞も使いまくることになる。

ライティングは、まず第一に、高度な文法力を要する領域であるが、高度な文法力とは、まず第一に、以下2つの能力である。

アマの読解は英文の意味を正確に解釈することに始終するが、著者のライティングを読みきるのが本物の読解であり、プロのリーディングである。

結論的に言うと、『英標』の解説にはライティングの領域がすっぽり抜け落ちている。

ライティング領域を含まないアマ英語教育にあっては、『英標』は読解の手本であるが、ライティング領域を含むプロ英語教育から言えば『英標』はアマ英語教育の見本である。

結論的に言えば、『英標』例題1は、「変形」「技法」「句読」「冠詞」の解説を欠くアマ英語教育の読解の縮図である。

『英標』例題1:

Few peoples have been more often discussed than the English. In the history of human society for several centuries England has been among the principal world energies: Englishmen have often, and in a variety of fields, been either leaders or valuable contributors of noteworthy progress.

読解の第1ポイント: , and a variety of fields,
『英標』の著者原仙作さんは , and in a variety of fields, を無解説で素通りしてしまったが、TMシステムを創ったプロの目で見れば、『英標』例題1の読解文の値打ちは「 , and in a variety of fields, 」にある、ということになる。
読解の第2ポイント:コロン(:
ライティング領域を含まないアマ英語教育は、大学の英語科や英文科でも句読法を教えていない。多くの英文と接しながら、このコロンの用法を知らない『英標』の著者もアマ英語教育で英語を学んだ一人である。それと知らず、それと気づかず、受けた英語教育で知識と理解が制限、制約されている――ここが、教育のこわいところである。

読解ポイント1も2も句読がポイント―― , and in a variety of fields, の2つのコンマを取ると、たんに a. が b. に変わるのではなく、非文法な英語に変わるのである。

  1. have often, and in a variety of fields, been
  2. *have often and in a variety of fields been

このコロン(:)の用法を知らない人は、言うまでもなく、この用法のコロンを使わずに英文を書く、あるいは書いていることになる。このコロンの代替機能を知らない人が読解問題集の著者であったら、どうなるのか。例えば『英標』例題1の読解解説のように、コロンを無視する。

読解の第3ポイント: or の等位関係
『英標』の著者は or の等位関係(or は何と何を接続しているのか?)も無解説で素通りしてしまったが、leaders or valuable contributors of noteworthy progress は2つの等位構造を形成する。
  • 等位構造1:or は leaders と valuable contributors を接続。
  • 等位構造2:or は leaders と valuable contributors of noteworthy progress を接続。

訳文から判断すると原仙作さんは等位構造1で理解したことになり、私も同じ判断になるが、等位構造1で等位構造2ではない根拠と論理を文法プラス技法できちんと解説するのがプロ。

さて、文頭の重たい(つまり長い)副詞句(修飾語)の後にはコンマを打つ必要があるが、第2文文頭の In the history of human society for several centuries の後にコンマがなく、ミスプリによるコンマ脱落の可能性が高いが、いずれにせよ、英語教育上、以下の文に改める。

Few peoples have been more often discussed than the English. In the history of human society for several centuries, England has been among the principal world energies: Englishmen have often, and in a variety of fields, been either leaders or valuable contributors of noteworthy progress.

『英標』による「アマ」検証(1):変形、変形技法

「頻度」の副詞 often と「場」の副詞句 in a variety of fields は等位接続詞(coordinate conjunction)で結べないから、c. が正しく、d. は非文法になる。

  1. : Englishmen have often been either leaders or valuable contributors of noteworthy progress in a variety of fields.
  2. *: Englishmen have often and in a variety of fields been either leaders of valuable contributors of noteworthy progress.

e.(原文)であっても and は d. 同様 often と in a variety of fields を接続していることになるが、d. 文と違って非文法にならない。なぜ?ここに謎がある。

  1. : Englishmen have often, and in a variety of fields, been either leaders or valuable contributors of noteworthy progress.

プロ英語教育TMシステムの3大英語理解:

– 続く –

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どだい、土台が違う

木造平屋建ての土台でビルは建てられない。3階ビルの土台に30階高層ビルは建たない。英語ができるといっても、いわば平屋の英語力と、いわば高層ビルの英語力の違いがある。

どこまで英語力を伸ばせるか。
どこまで実力が積み上がるか、
それは、土台で決まる。

世に、ネイティブ級ライティング力の超高層英語力を
現実に実現できる英語教育は、TMシステムあるのみ。

TMシステム
(The Thorough Mastering System)
英語の文法と技法の全容を実際的に深く、
深く実際的に教えきる初の英語習熟教育。

重たい英語学習を避けるなら、
どこまでも、どこまでも、どこまでも
軽い英語力でいくしかない。
深い英語学習を避けるなら、
いつまでも、いつまでも、いつまでも
理解の大不足のままでいるしかない。