英語のライティングに初級も中級もなし、英文ライティングはネイティブ級あるのみ。ライティングの添削指導もしかり。

英語のライティング、ライティングで英語

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英文法に初級も中級もないように、
ライティングに初級も中級もなし。
英文ライティングは文法プラス技法、
和文英訳レベルの英作と本質が違う。
ライティングはネイティブ級のみ。

英語ライティング: [問] darkの最上級は常にdarkestか?

commonに2つの最上級commonestとmost commonがあるという意味でdarkに*most darkもあるのか、という文法レベルのあほ臭い問ではありませんよ。技法レベルの、この問に答えられないのならライティング力はまだ青臭い、英語のライティングがわかっている、わかっていない、白かdarkかという問なのです。

英文ライティング: 小問1 以下の文を英訳しなさい。

それはこれまで読んだ中で最も洞察に満ちた、最も怪奇で最も暗い小説だ。

以下3つの英訳文、あなたはどう評価しますか?

  1. It's the most insightful, most mysterious and darkest novel that I've ever read.
  2. It's the most insightful, mysterious and darkest novel that I've ever read.
  3. It's the most insightful, mysterious and dark novel that I've ever read.

英文ライティング: 小問2 3文中1つは非文法、a.かb.かc.か?

文法に暗いのはdarkで最上級darkestでないc.、と技法に暗い人は思うでしょうが、私の評価は以下。

  • ■ a: 非実際的。
  • ■ b: 非文法。
  • ■ c: 非の打ちどころなし。

非っ、非っ、非っ、と無気味な笑い声に聞こえるのは、文法にも技法にもdarkだからですよ。実際、文法に暗い、技法はまっ暗のライティングなんてものは気味の悪いもの。

まずは文法からいきましょう。

  1. The most insightful, most mysterious and most compelling novel I've ever read.
    (これまでに読んだ中でもっとも洞察に満ちた、最高に怪奇でなにがなんでも読まずにはいられなくなる小説)
  2. *the most insightful, most mysterious and compelling novel I've ever read
  3. *the most insightful, mysterious and most compelling novel I've ever read
  4. the most insightful, mysterious and compelling novel I've ever read

A, B and Cの等位関係にある3つの形容詞に最上級のmostを冠する場合、

  • ■ A、B、Cの全部にmostを付ける。
  • ■ Aのみにmostを付ける。

mostをAとB、あるいはAとCに付け、mostを1つ節約は簡潔ではなく欠陥――統一性を欠く中途半端は非文法。

3つの最上級がmost insightful、most mysterious、しかしdarkestの場合はどうなるのか。ライティングの自然環境ではなく、文法論理の人工環境では以下4組(darkとmysteriousはdarkとinsightfulより意味的に親密な点を考慮し、darkとmysteriousは隣同士)。

  1. the most insightful, most mysterious and darkest novel I've ever read
  2. the most insightful, darkest and most mysterious novel I've ever read
  3. the most mysterious, darkest and most insightful novel I've ever read
  4. the darkest, most mysterious and most insightful novel I've ever read

h.、i.、j.は英語であるもEnglishless、k.はEnglish-ish――unEnglish(英語であらず)、Englishless(英語らしくない)、English-ish(英語っぽい)、Englishful(これぞ英語)、ノンネイティブのライティング指導の一助として以上4つのEnglishの派生語があってもよいのではと私は冗談っぽく思うのですが、いかがなものでしょうか。なにしろライティングの大問題は、

To be like or not to be like English, that is the question.
(英語らしいか、英語らしからざるか、それが問題だ)

To be like English or not to be like it, that is the question.ではEnglishless、英語は「文法プラス技法のことば」ですから。

先頭darkestのk.の英語らしさは技法レベルで意図的な強調表現と評価できること。

英文ライティング: 小問3 強調効果が高まるよう手を入れなさい。

「手」と言っても、小指の先で済むfine-tuning(微調整)ですよ。

  1. the darkest, most mysterious and most insightful novel I've ever read
  2. the darkest, most mysterious, and most insightful novel I've ever read

k.とl.の違いはコンマ1つ、most mysteriousの後にコンマを打つと、まず ,most mysterious, が際立ち、次に , and most insightfulも引き立ち、そこにそも先頭で目立つ語尾「-est」のdarkest、これでそも自己主張の強い最上級形容詞3つがさらに強まる――これはコンマなる小石を水溜りに落としたa ripple effect(波及効果)。

大学でも習わない英語の句読法(punctuation)を漠然と日本語の句読法に重ねてイメージしがちですが、英語の句読法は文法プラス技法で展開する、ぐんと応用の幅も奥もあるライティングの本領域ですよ。

英語は語順をとても気にすることば――mostを冠した2つの最上級形容詞を連ねて体裁を整えるのが英語らしい語順、英語の正常、ライティングの常識、ですからmost insightfulとmost mysteriousの間にdarkestが割り込んだi.、j.は、

  1. the most insightful, darkest and most mysterious novel I've ever read
  2. the most mysterious, darkest and most insightful novel I've ever read

いささかmysterious、ネイティブは書き手の頭を疑うかも――こいつはinsightfulでなくinsaneかも、darkでなく、ただのdork(間抜け)かも。

Too many deer, wild pigs, raccoons and beavers can be almost as bad for the animals as too few.
(シカ、イノシシ、アライグマ、ビーバーが多過ぎるのは、その動物たちにとって少な過ぎるのと同程度に不利になりかねない)出典: TIME 2013年12月9日号 p. 37

もしあなたが、too manyが1つでは心もとないと思ってwild pigsにもtoo manyを冠すると、

  1. *Too many deer, too many wild pigs, raccoons and beavers can be almost as bad for the animals as too few.

最初だけでなく最後もtoo manyの方がわかりやすいのではと親切心でbeaversにもtoo manyを冠すると、

  1. *Too many deer, wild pigs, raccoons and too many beavers can be almost as bad for the animals as too few.

非文法のしっぺい返しをくうことになりますよ。too manyを1つ足すのは文法土俵の勇み足、足すなら3つプラスで、

  1. Too many deer, too many wild pigs, too many raccoons and too many beavers can be almost as bad for the animals as too few.

too manyがtoo manyでやりきれない表現になりますね。

darkの最上級は常にdarkestか? ― この問の意味がわかってきましたか。

darkの最上級は常にdarkestか? ― この問の意義がわかるでしょうか。

darkの最上級は常にdarkestか? ― この問の真義がわかるでしょうか。

  1. the most insightful, most mysterious and darkest novel I've ever read
  2. the most insightful, mysterious and dark novel I've ever read

h.とp.の違いは文法レベルの英語と技法レベルの英語の違い、h.とp.の違いはノンネイティブの英語とネイティブの英語の違い、h.とp.の違いは英語らしくない英語と英語らしい英語の違い――ですから英語は「文法プラス技法のことば」なのです。p.のdarkはp.のmysteriousと同じ最上級、つまりmysterious = most mysteriousと同じくdark =most dark、つまりmost省略でmost mysterious → mysterious、同様にmost省略でmost dark → darkなのです。*most dark自体は非文法ですから、p.の最上級(most) darkは「技法の文法超越」ということになりますね。

「darkの最上級は常にdarkestではない」のが英語の自然界、そこは「技法の文法超越」という超自然現象も内包する大自然なのです。

英文ライティング: 小問4 「技法の文法超越」の一例を示しなさい。

と問われて、「そんなもの知ってるわけが・・・」実はあるのです。

英文ライティング: 小問5 どれがリンカンのオリジナル?

  1. government of the people, by the people and for the people
  2. government of the people, by the people, and for the people
  3. government of the people, by the people, for the people

かの有名な「人民の、人民による、人民のための政治」がかの有名なgovernment of the people, by the people, for the peopleでq.やr.でないことはご存知の筈――あなたが知らなかったのは、あなたが知らなかった「技法の文法超越」の一例であること。

英文ライティング: 小問6 以下の2文を和訳しなさい。

  1. She drinks sake, wine and beer.
  2. She drinks sake, wine, beer.

t.は「彼女は日本酒とワインとビールを飲む」で、u.は「彼女は日本酒、ワイン、ビールなどを飲む」でu.はv.の意味。

  1. She drinks sake, wine, beer and so on.

これが文法レベルで「A, B and C」と「A, B, C」の違い――u.の彼女はwhiskyでもvodka(ウオッカ)でもあおる酒飲みかもしれませんが、リンカンの「A(of the people), B(by the people), C(for the people)」は3っつきり、他にfrom the peopleやwith the peopleなどなどという意味ではないのです。

等位関係にある3語句A、B、Cをandで結ぶ場合は以下の2通り。

  • A and B and C
  • A, B and C

以下2つは非文法。

  • *A and B, C
  • *A, B, C

ですからof the people, by the people, for the peopleは非文法――非文法が非常に素晴らしい表現になるのは、ですから「技法の文法超越」。

等位接続詞のつなぎ手を使わない「空手」の妙技を並列(parataxis: government of the people, by the people, for the peopleもその一例)と呼びますが、プロのライティングでは並列を決め技として使うことも珍しくありません。

英文ライティング: 小問7 以下は英語の自然界の一区画、並列はどこ?

Meanwhile, the damage done by booming wildlife populations is substantial. Some 200 Americans die each year in more than 1.2 million vehicle collisions with wandering deer—wrecks that cause damage resulting in more than $4 billion in repairs, according to the Insurance Information Institute. One recent Tuesday morning in western Michigan, a motorcyclist named Theobald “Buzz” Metzger, 55, struck a deer in the suburbs of Kalamazoo. The force of the collision sent him flying from his bike. Moments later, 78-year-old motorist Edmund Janke happened on the scene. Startled by the sight of a body in the road, he swerved, lost control of his car and died after he was thrown from the vehicle. One deer, two people dead. 出典: TIME 2013年12月9日号 pp. 38-39

毎年120万件以上にのぼるシカとの衝突事故でヒトが200人ほど死ぬ――アメリカの自然界のスケールを感じさせる数字。

一口に並列と言っても特定の構造パターンを備えた並列構文もあり、並列なる「技法の文法超越」の超え方も様々――TMシステム並列強調構文(paratactic emphatic construction)と呼ぶ強調構文もあり、しかも4タイプ、英語の自然界のスケールを語る数字。

paragraph最終文はparataxis、簡潔の極みOne dear, two people dead――超然として、並の英語力ではとうてい割り込めない並々ならぬ列ですよ。

英文ライティング: 小問8 two people deadのdeadの文法機能は?

もしもあなたが英文法に滅法強いなんて英語教育界の絶滅危惧種のような方なら、とにかく以下3通りの構造展開(つまり変形)を考えてみるでしょうね。

  • were省略: two people were dead → two people dead
  • 分詞構文のbeing省略: while two people were dead → while two people being dead → two people being dead → two people dead
  • 付帯状況のwith省略: with two people dead → two people dead

3つのいずれでもないとなると、4度目の正直になるのは?

後置修飾(postpositional modification)ということになりますね。ならw.→x.の変形になりますね。

  1. two dead people
  2. *two people dead

あるいはy.→x.のwho are省略変形になりますね。

  1. two people who were dead
  2. *two people dead

ですが形容詞の単独後置修飾はan heir apparent(法定推定相続人)やfrom time immemorial(大昔から)のような慣用表現を例外として、文法レベルでは非文法(x.は非文法)――技法レベルでは、例えばeternal life(とわの命)よりlife eternalのほうが平たく言えばカッコいい、格式ばって言えば格調が高いとなれば、カッコをかまう必要があるところではカッコをつけますね。文法をかまわずカッコをかまうと「技法の文法超越」――形容詞が単独で名詞を後ろから修飾、これはもっとも卑近な「技法の文法超越」。

英文ライティング: 小問9 以下の文を和訳しなさい。

  1. I found the toy safe then.

1文に2つの構造、2つの意味――safeは形容詞(安全な)、名詞(金庫)、toy safe(おもちゃの金庫)は「貯金箱」。

  • S+V+O+C(safe): その時そのおもちゃが安全だとわかった。
  • S+V+O(the toy safe): その時その貯金箱を見つけた。

もし形容詞が単独で名詞を後置修飾してもよいという文法ルールが存在すると、the toy safeは「その安全なおもちゃ」の意味にもなり、z.文は3通りにも構造解釈できることになります。「形容詞が名詞を前からでも後ろからでも自由に修飾できる」と「2通りに解釈できる」のambivalenceがprevalenceになってしまいます。ですから英文法は形容詞の単独名詞後置修飾を容認しないのです。

ですが英語は「文法プラス技法」のことば――技法の領域では表現効果が著しく高まるという「格別」があれば「技法の文法超越」という「特別」もあり。

  1. One deer, two dead people.

上文のように「数詞(ふつうone)+名詞(ふつう1語)+コンマ+数詞(ふつうoneかtwo)+名詞(ふつう1語か形容詞+名詞で2語)」は並列の1つの型、例えば以下の北京オリンピックのスローガン。

One world, one dream.
(1つの世界、1つの夢)

ちなみにOne country, two systems.(一国家、二体制)も中国――One country, two political systems.とも言いますが、共産党一党支配のmainland Chinaと民主主義のHong Kongでtwo systems。

英文ライティング: 小問10 以下の2文では何が違う?

  1. One deer, two dead people.
  2. One deer, two people dead. (原文)

もちろん表現力が違う、表現のインパクトが違う――deadの後置修飾でくっきりコントラストするdeerとdead――One deer(2語)、two people dead(3語)、わずか5語の並列構文の中で3つの共通点で強くコントラストする2語deerとdeadを活用しない手はない、その手法がdeadの後置修飾。

deerとdeadの共通点:

  • 頭韻: 語頭[d]。
  • つづり: 語頭「de」。
  • 文字数: 4字。

ライティングでは視覚効果もモノを言う――語頭は語尾より目立つ、故にライティングでは語頭の韻「頭韻(alliteration)」が語尾の韻「脚韻(rhyme)」よりモノを言うことも頭に入れておきましょう。

英語の自然界をバードウォッチャーの双眼鏡のように文法と技法の双眼で観察していると、文法の上をはばたいている「技法の文法超越」を見つけることもありますね。さらにそれが「表現形式」という種であることを突きとめることにもなります。

以下の表現形式は後置修飾で「技法の文法超越」。

all things固有名詞(proper noun)

特に

all things+人名

例えば、

  1. all things Salinger
    (サリンジャー百科)

ac.はad.の前置詞aboutを蹴落とした表現上のquantum leap「技法の文法超越」。

  1. all things about Salinger

「all things+人名」と言っても、この人名は1語、ae.は変。

  1. ?all things J. D. Salinger

なぜ変かと言えば一体感が弱くなって「変だと感じるから」――この感じは表現感覚。

allのないただのthings Salingerはただの非文法。

  1. *things Salinger

all things Salingerのallが抜け落ちると語句のバランスが崩れて文法超越は無理と感じるのは構造感覚。

技法の根本:

  • 表現感覚
  • 構造感覚

表現感覚とは表現の表情を感じとり、読み取る能力であり、構造感覚とは表現の重い·軽いの重量感覚、簡潔·冗長の締り感覚、語句の釣り合いや配列のバランス感覚、文体裁を整える構成感覚のことです。

ハイテク英語第1道場「サンプル 問題と解説」の「誤り訂正」は表現感覚&構造感覚が学習テーマ――技法学習の最良の起点。

all things SalingerのSalingerは「サリンジャーの」「サリンジャーに関する」の意味の形容詞として機能していることになりますが、固有名詞が動く、例えばGoogle(グーグル)が動詞「グーグルで検索する」のように足を出すのはまああること。ですが、人名で動詞、その名の主が日本人とくりゃ、こりゃ珍しい、ほんに珍しい。

And a quirky, almost mystical book by 30-year-old Japanese “cleaning consultant” Marie Kondo called The Life-Changing Magic of Tidying Up has been an unlikely New York Times best seller since February. Kondo's simple philosophy—more self-help than home improvement—urges readers to keep only the things that spark joy while throwing out the rest. If retail-therapy joy lasts a moment, Kondo's is meant to last a lifetime. Her name has even become a verb: to Kondo your sock drawer. 出典: TIME 2015年3月23日号 p. 32

Her name has even become a verb: to Kondo your sock drawer.(「靴下の引き出しをKondoする」のように彼女の名は動詞にさえなっている)――Kondoさんはアメリカに手を広げただけでなく、動詞Kondoで足も出た!

英文ライティング: 小問11 Kondo(近藤)が英語の動詞になれた理由を2つ挙げなさい。

もちろん近藤麻理恵さんの著作がアメリカでベストセラーになったからですが、それは動詞Kondo(近藤流に整理する)の起点、きっかけ。どうして動詞になれたのか? これは表現感覚、センスの問題です。

動詞Kondoの表現感覚:

  • Kondoはcondo(分譲アパート[いわゆるマンション]: condominiumの短縮形)と同音、Kondoはネイティブに親しみのわく音。
  • Kondoの語尾「-do」は動詞doと同スペル、Kon-doのdo感覚。

実は私のpersonal name緯己(いき)も英語音があり、形容詞icky[iki]なんですが、その意味が「べとべとした」とか「甘ったるい」ではがっかりしますね。

動詞Kondoがいつしかkondoになり、This sock drawer needs kondoing.(この靴下の引き出し、コンドウしないと)なんてことになるんでしょうかね。

英文ライティング: 小問12 以下の文のtoo many elderlyは「技法の文法超越」か?

That would leave the People's Republic with a distorted population: too few youths, too few women and too many elderly.
(その結果、中国は偏った人口を、少なすぎる若者、少なすぎる女性、そして多すぎる年寄を抱えることになるだろう) 出典: TIME 2013年12月2日号 p. 20

「技法の文法超越」か? と問うからには、まず第一にこの英文が「技」のある英語である必要がありますね。技法レベルと文法レベルではどこが違うのか、まず比較、確認しておきましょう。

  • 文法レベルの英語:
    1. That would leave China with too few youths, too few women and too many elderly people.
  • 技法レベルの英語:
    1. That would leave the People's Republic with a distorted population: too few youths, too few women and too many elderly. (原文)
  • 文法レベル: 意味のみ。
    • 1語: China
    • 3語: too few youths
    • 3語: too few women
    • 4語: too many elderly people
  • 技法レベル: 意味プラス表現効果(各3語のコントラスト)。
    • 3語: the People's Republic
    • 3語: too few youths
    • 3語: too few women
    • 3語: too many elderly

この文は中国の一人っ子政策(one-child policy)がテーマの特集記事(cover story)のテーマ文(thesis statement)、記事のサブタイトルをテーマ文にするのが常套ながら、この特集記事ではこの文がテーマ文――the People's Republic's distorted populationがChinaの将来にどんなインパクトを与えうるのか、

  • too few youthsのimpact
  • too few womenのimpact
  • too many elderlyのimpact

と記事を追って展開する趣向、ですからテーマ文自体もできるだけインパクトのある表現にしたいところ。

文法レベルの英作から技法レベルの英文ライティングへ:

  1. That would leave China with too few youths, too few women and too many elderly people.
  2. That would leave China with too few youths, too few women and too many elderly.
  3. That would leave the People's Republic with too few youths, too few women and too many elderly.
  4. That would leave the People's Republic with a distorted population: too few youths, too few women and too many elderly. (原文)
ag.→ ai.:
too many elderly people → too many elderlyで各3語のtoo few youths、too few women、too many elderlyになり、各3語のコントラストと結束が強まり、この語群(前置詞withの目的語)全体が際立つ。また3語3様の複数形youths(-s)、women(woman→women変則)、elderly(単複同形)が個性的表情を与え、この語群をさらに活性化。
ai.→aj.:
1語Chinaを3語the People's Republicに代えることで各3語のtoo few youths、too few women、too many elderlyとコントラストするだけでなく、「人(People's)」と「人(youths、women、elderly)」が呼応。
aj.→ah.:
文末は位置的に強調されるポジション――withの目的語にa distorted populationを立てると、コロン(:)に区切られた文末の末too few youths, too few women and too many elderly(a distorted populationの同格語)はぐんと際立ち強調される。

「文法レベル」とは「意味」が正確に伝達できればよいレベル――文法レベルではChinaもthe People's Republicも同じ、文法レベルではtoo many elderly peopleをtoo many elderlyに代えても何も変わらない、the People's Republicを活用し、名詞elderlyを活用するのは技法レベル。

too many elderlyも既出のtoo many deerのdeerも単複同形ですが、ひとつ違う点はdeer(one deer、two deer)やsheep(one sheep、two sheep)のような単複同形名詞は古英語(Old English: 700〜1100年)の中性名詞起源である一方、単複同形名詞elderlyはちょうど半世紀前の1965年生まれ、ちなみに形容詞elderlyが世にでたのは1611年。

too many elderlyは「技法の文法超越」か?――1965年の時点ではもちろん「技法の文法超越」、形容詞elderlyを名詞として使っただけでなく、単複同形名詞として使った、形容詞elderly誕生後350余年の大胆な「技法の文法超越」、too many elderlyのように複数形elderlyが格別な表現効果を発揮したのでしょう。実は形容詞poorもthe world's poor(世の貧しい人々)のように複数形の名詞として使うこともあるのですが、2015年の現時点ではtoo many poorはmuch too ungrammatical。

英文ライティング: 小問13 以下の文を和訳しなさい。

  1. We have strived to do more meaningful things with the resources we have.

これは文法問題ですが、問題なのは、

  • many meaningful thingsのmanyを比較級にするとmore meaningful things
  • meaningful thingsのmeaningfulを比較級にするとmore meaningful things

となりmore meaningful thingsは2通りの解釈が可能で文意が1つに定まらないこと。

many→moreなら、ak.→al.で文意は定か。

  1. We have strived to do more of meaningful things with the resources we have.
    (もてる資力で有意義なことをもっとやろうと頑張ってきた)

meaningful→more meaningfulなら、ak.→am.で文意は定か。

  1. We have strived to do things that are more meaningful with the resources we have..
    (もてる資力でより有意義なことをやろうと頑張ってきた)

ak.→al.、ak.→am.は文法レベルの展開で、技法レベルの展開ではありませんよ。念のため。

しかしam.のthat are省略のam.→am1.、that are more meaningful外置(extraposition)のam.→am2.の変形展開は技法レベルですよ。

am1.
We have strived to do things more meaningful with the resources we have.
am2.
We have strived to do things with the resources we have that are more meaningful.

ところでstriveの過去分詞形はstriven、strivedの両形があり、どちらにするかは好みの問題ですが、「好み」は文法色より技法色。

too many elderlyのelderlyは形容詞elderlyがそのまま名詞になったものですが、エルビス・プレスリーの大ヒット曲Love Me Tenderのtenderのように形は形容詞で中身は副詞(tenderly: 優しく)という場合もありますね。tenderly→tender(副詞)はlyrics(歌詞)の中のlyricism(強い感情表現)。

英文ライティング: 小問14 以下の3語句を吟味しなさい。

  1. do different
  2. do great
  3. do mean

「do+形容詞」に見えますが、differentは副詞で「違うようにやる」、なら副詞differentlyとどこがdifferent? do different = do differentlyで意味的にはどこも違わない、違うのは表情、これは表現感覚の問題。「違うようにやる」ならdo differentlyも違うようにやってdo different――なんて言うのは冗談。

「do+形容詞」に見えますが、great、meanはdoの目的語、つまりこのgreat、meanは名詞、つまりdo great = do what is great(りっぱなことをする)、do mean = do what is mean(卑劣なことをする)。do dirty(汚いことをする)という表現もあり、「do+特定の形容詞形の名詞」も「技法の文法超越」の1タイプと言えますが、この種の品詞越えは比較的容易な「技法の文法超越」。

さて慣用表現のLong time, no see.(お久しぶり)の名詞seeとか、(as) sure as eggs is eggs(間違いなく)の「is」なんてものは「文法超越」というより「非文法超越」というところ。

さてLong time, no see.は並列構造、ここで再び並列の話に戻りましょう。

英語に強調構文はいくつ? 高校で強調構文と呼ぶものが1つ、大学で擬似分裂文と呼ぶものが1つ、計2つ――「英語の文法と技法の全容を実際的に深く、深く実際的に教えきる」TMシステムでは実に40以上、その中にTMシステムで「並列強調構文」と呼ぶものもあり、諺に一例を拾うと、

  1. Love me, love my dog.
    (ことわざ: 人を愛さば飼い犬までも)

命令文を2つ並べたような形態――愛憎の違いはあっても、同趣意の「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」を並列強調構文で英訳すると、

  1. Hate a priest, hate his surplice.
■ 並列強調構文の表現形式:
命令法の動詞句 + コンマ(,) + 命令法の動詞句

この表現形式、見覚えがある、という方も少なくないのでは。

  1. Have a break, have a Kit Kat.
    (Kit Katのスローガン: 休憩するなら、Kit Katを食べる)

表現インパクトの強い並列強調構文をスローガンに使わない手はありませんね。

英語、ことわざ10選-4」はat.の諺がテーマ、その結びは諺級の並列強調構文で締め括りました。

  1. A friend in need is a friend indeed.
    (ことわざ: まさかの時の友が真の友)
  2. Be a friend in need, see a friend when in need.
    (私の作: まさかの時の友たらば、まさかの時に友を見る)

さてさて、government of the people, by the people, for the peopleもOne deer, two people dead.も並列構造のすばらしい表現ですが、名言は名文に見合った内容の重みも必要、見事な英語表現ながら「シカ1ぴき、ヒト2人死亡」では後世に伝わりようがありませんね。ですが私は1ぴきのシカと2人のヒトの死をむだにはしませんよ。

おかしなcoatedのお菓子

時にはsugarcoatした表現でなく、あけすけに真実を言う必要もある。

English is all Greek to the Japanese.
日本人は英語がちんぷんかんぷん。

と言うのはもちろん誇張だが、

When it comes to writing, however,
English is all Greek to Japanese.
しかしながら、ライティングと言うことになると、
日本人は英語がちんぷんかんぷんわかちゃいない。

と言うのは誇張でもなんでもない。Japlishなるblemish(汚点)のついたラベル、包装紙、容器の蓋、パッケージが証拠。頭を絞って作った、短い、たった1センテンスの英文の「出品作」が非文法で意味不明なところがあるとなれば、これは完膚無きまでに完璧な「ちんぷんかんぷん」ではないか。

その一例を示す前に、英文のto the Japanese、to Japaneseについて一言――Japanese(日本人)は単複同形、to the Japanese、to JapaneseのJapaneseは共に複数形。ついでながら語尾「-nese」「-guese」「-ese」、語末音[z]のChinese(中国人)、Lebanese(レバノン人)、Portuguese(ポルトガル人)、Vietnamese(ベトナム人)も単複同形(one Chinese、two Chinese)、語末音「s」のSwiss(スイス人)も単複同形。

キャッチコピー的視点から見ると、to the Japaneseよりto Japaneseの方がEnglish、Greek、Japaneseのコントラストがストレートですっきりしているし、もちろんJapaneseは「日本語」でもあり、英語とギリシャ語と日本語が面(つら)を揃えているようにも見えておもしろ味もあり、英文2行の各行の長さが揃ってすっきりしてもいる。しかし以下の日本の英語教育にかかるスローガンでは総称的に「日本国民」を表す「the+Japanese(複数形)」が適当。

英語がマスターできる英語教育のためのスローガン:

Who's made you an English geek?

英語ダメ男、ダメ子にしたのは誰?

English is all Greek to the Japanese.

English、Greek、Japaneseの三つ揃いにgeek、Greekの組み合わせ、an English geekの強烈な個性で迫力満点のスローガン。

geekはやはり1音節で長母音、語尾「k」のjerk(ばか)、dork(間抜け)のお仲間ながら、jerkやdorkと違い、とてもbrainy「頭のいい」人もgeek。

Dictionary of the English Languageのgeekはまず以下2つの意味が出てくる。

  1. A person regarded as foolish, inept, or clumsy.
    (愚か、無能、あるいはぎこちないと考えられる人)
  2. A person who is single-minded or accomplished in scientific or technical pursuits but is felt to be socially inept.
    (科学的、技術的な研究に打ち込んだり、優秀であったりするが、社交性に欠くと思われる人)

a.ならan English geekは「英語バカ」、b.なら「英語オタク」――geekが「コンピューターの専門家」であることもよくあるが、Random House Kemerman Webster's College Dictionaryには以下の定義が見つかる。

an expert in computers(a term of pride as self-reference, but often considered offensive when used by outsiders)

カッコ内をかみくだいて言うと、「自分で自分のことをgeekと言う場合は誇らしくもあるが、門外漢からgeekと言われるとむかっとくることば」――元々は「バカ」だから他人からgeekと言われたらバカにされた気がするというところ。とにかくgeekはいい意味と悪い意味を両立させたfreak(変わり種)。

スローガンのan English geekの意味:

  • 英語、英語と言っているわりには、英語、英語とやっているわりには、まだ英語がかなりできない人。
  • ネイティブの英語力との距離がわからないために自分の英語力を過大評価している人。
  • 英語がわからない人、つまり英語を評価できない人、つまり英文のうまいへたがわからない人。

英語学習歴20年、30年、40年が20年、30年、40年の伸び悩み、頭打ちの方々もEnglish geeks。

ロッテ チョコパイ:

Chocolate coated vanilla cream sandwich pie

[問]
このキャッチコピーの誤りを訂正しなさい。

「チョコパイ」はお菓子っぽくて、おいしそうな名、英訳すると、pieは可算名詞にも不可算名詞にもなりますからChoco PiesかChoco Pieになりますが、Choco Piesが超人気の国があるんですね。どこの国だと思います。

At the same time privileged North Koreans manage to send their kids to expensive private schools in China. This unlikely elite has grown rich from the electronics, home furnishings and Choco Pies—a much coveted snack—that are funneled from China into the world's most isolated nation. 出典: TIME 2016年3月14日号 p. 35

中国から北朝鮮に流入するものが3つ列挙されていますが、その1つはelectronics(電子機器)、1つはhome furnishings(家具)、もう1つはChoco Pies、a much coveted snack(食べたくてたまらないスナック)なんだそうです。

JaplishはJapaneseとEnglishの混成語(blend)、訳せば「日本英語」、もちろん日本英語なんて代物があるわけがなく、実は外人さんが面白半分にニッポンのtarnished English(台無し英語)の英文キャッチコピーをrelishして総称的にJaplishと呼んだもの――もちろんJaplishはニッポンの英語教育上banishすべき代物。

「チョコパイ」のキャッチコピーは以下2つのJaplishの特徴を有する典型的なJaplish。

Japlishの2大特色:

  • 非文法
  • 意味不明

一見すると意味のわからないところはない、一口食べるとpieが意味不明になる。

日本ではいろんなお菓子をパイと呼んでいるし、日本ではいろんなお菓子をパイと呼んでいても、それはそれでいい。しかし英語ではA pie is a pie is a pie.(パイはパイでパイ以外のなにものでもない)。

チョコパイはpieではなくpancake――Pancakes are pancakes are pancakes.(パンケーキはパンケーキでパンケーキ以外のなにものでもない)、チョコパイをpieで売るなら、それは一パイ食わせることになる。

訂正1.: pie → pancakes

中にくだものや肉などを詰めて焼いたものがpieだから「中」があるのは当然、sandwich pieのsandwichはtautology(類語反復、平たく言うと冗語)。

訂正2.: sandwich pie → pie (sandwich pieのみの訂正)

文法に関して汚点が2つ、その1点は「点」がないこと。キャッチコピーやスローガンは短くとも、特定の文の要素や動詞が省略(このキャッチコピーはThis is省略の補語)されていてもピリオドを打つ、タイトル、サブタイトル、キャプションはピリオドを打たない――これも文法ルールの内、句読法(punctuation)も文法の内。

訂正3.: 終止符をつける。

2つ目の汚点も句読がらみ。

proverbとpro-verbはどこが違う? 外見はハイフン(hyphen)の有無、中味は「諺」と「代動詞」で大違い。「彼の20歳の妻」はhis wife who is 20 years oldで簡潔にするとhis 20-year-old wifeで*his 20 years old wifeでも*his 20-years-old wifeでもない。「チョコレートでくるんだクッキー」はcookies coated with chocolate、chocolate-coated cookiesで*chocolate coated cookiesではない。

訂正4.: chocolate coated → chocolate-coated

[問]
以下の文のold-schoolのハイフンがないとどうなる?

Her narrow victory was so close in some locations that organizers were left with the most old-school of tiebreakers: a coin toss.
(かろうじて勝ったものの、所によってはごく僅少差で選挙組織委員は同点に決着をつける大昔からのやり方、トスで決めざるをえなくなってしまった) 出典: TIME 2016年2月15日号 p. 7

「彼女の辛勝(Her narrow victory)」の「彼女」はHillary Clinton――さて1語old-schoolのハイフンをなくすと2語old schoolになるだけでなく、形容詞old-schoolが名詞句old schoolに変わるだけでなく、*the most old schoolなんてバカバカしくも非文法な、変わり果てた英語になってしまう。

ハイフンを取ると文法レベルで変化し、3語the most old-schoolは3語the oldest schoolに変わる。

訂正文1:
Chocolate-coated pancakes with sandwiched vanilla cream.

これはなんの変哲もない、変化もない、表情もない文法レベルの英文――sandwichedを後置修飾すると、文頭Chocolate-coatedの語尾「-ed」と文末sandwichedの語尾「-ed」が文頭·末の強調のポジションで呼応、英文に表情が出てくる。

訂正文2:
Chocolate-coated pancakes with vanilla cream sandwiched.

6語と6語の間隔:

  • 6語:
    Chocolate coated vanilla cream sandwich pie
  • 6語:
    Chocolate-coated pancakes with vanilla cream sandwiched.

「6語」と「6語」の違いはもちろんJaplishとEnglishの違いだが、その間はJaplish(原文) → 文法レベルの英語(訂正文1) → 技法レベルの英語(訂正文2)の2段階のレベルアップ。「文法レベル」とは文法的に正しく、意図している意味を正しく伝えていれば満点の「和文英訳」レベルの英語。しかし英語は文法プラス技法のことば、英文ライティングも当然ながら文法プラス技法――「6語」と「6語」の間隔はJaplishと英文ライティング。

一口にcreamと言っても、single cream(シングルクリーム) → double cream(ダブルクリーム) → clotted cream(固形クリーム)と乳脂肪濃度は高くなる。「vanilla cream」のcreamはclotted cream、ならclottedを活用してキャッチコピーの英文濃度も高くしない手はない。「訂正文2.」にclottedをほうり込むと、「表情」はぐんと豊かになる。

訂正文3.:
Chocolate-coated pancakes with clotted vanilla cream sandwiched.
  • 表情1.: 語尾「-ed」の3語が先頭、中央、最後。
    先頭Chocolate-coated + 2語(pancakes with) + 中央clotted + 2語(vanilla cream) + 最後sandwiched

そこに構造パターンがあるということは、そこに印象が生じるということ。

  • 表情2.: 最初の語の語頭「c-」で最後の語の語尾「-ed」の名詞句が2つ。
    • chocolate-coated pancakes with clotted vanilla cream sandwiched
    • clotted vanilla cream sandwiched
  • 表情3.: 語頭「c-」のにぎやかなchorus。
    語頭「c-」のchocolateとcoatedをハイフンで結んだchocolate-coatedはそも表情のある語、そこに「c-」のclotted 参入で「c-」creamもコクが出る。

以下はcatがJaplishのfishを捕まえた瞬間。

catchyなキャッチコピー:
Chocolate-coated pancakes with clotted vanilla cream sandwiched.
fishyなキャッチコピー:
Chocolate coated vanilla cream sandwich pie

「おかしなcoatedのお菓子」の2つ目はおかしな、おかしな、crazyな ! つきのチョコレート。

グリコ アーモンドチョコレート:

Big fried almonds coated with rich chocolate indescribably delicious!

「9語プラス感嘆符」でaccomplishした文句無しのJaplish!

文法上の問題点1: rich chocolate indescribably deliciousは非文法。

chocolateを修飾する2つの形容詞rich、deliciousは同じ「性状」を示す形容詞、したがって2つの形容詞は等位接続詞andで結ぶことになる。

  • rich and indescribably delicious chocolate
  • rich, indescribably delicious chocolate (and省略でコンマ)

indescribably deliciousをdelicious beyond descriptionに言い換えると、後置修飾でも表現できる。

  • chocolate rich and delicious beyond description

そもそも形容詞(delicious)、形容詞の前に副詞(indescribably)がついた形容詞句(indescribably delicious)は後置修飾させないのが文法ルール。

文法上の問題点2: indescribably deliciousの修飾先。

もしもindescribably deliciousがBig fried almonds coated with rich chocolate全体に、つまりその中核のalmondsにかかっているのなら、関係詞構造で以下のように表現する必要がある。

Big fried almonds coated with rich chocolate that're indescribably delicious.

文法上の問題点3: 感嘆符(!)。

  • 独りよがりの感嘆符: indescribably delicious!
  • 文法機能の感嘆符: Big fried almonds...!

作者はindescribably deliciousに感嘆符がつき「えもいえぬおいしさ!」なんだろうが、この文構造ではBig fried almondsに感嘆符がつき「でっかいフライドアーモンド!」――そもこのcatchコピーの造りではpitch(売り込み)がチョコレートにあるのではなくアーモンド、ならチョコレートアーモンド!

文の整形手術

  • 第1段階:
    Big fried almonds coated with rich chocolate are indescribably delicious.
  • 第2段階: are省略、このままだと非文法、.!に代えると原作と同表現。
    *Big fried almonds coated with rich chocolate indescribably delicious.
  • 第3段階: areの省略部分にダッシュを打つ、ダッシュでコンマは不可。
    Big fried almonds coated with rich chocolate —indescribably delicious.
  • 第4段階: 第3段階に進むと、.!に代え、indescribably deliciousを強調することができる。
    Big fried almonds coated with rich chocolate —indescribably delicious!

第1段階から第4段階は変形展開――ここでindescribably delicious!と同じ「2語+感嘆符」のhow delicious!に代えると、それはまったく別の文構造のまったく別の表現展開。

  • 最終段階: ついに感嘆符本領発揮の感嘆文!
    Big fried almonds coated with rich chocolate—how delicious!

Big fried almonds coated with rich chocolateは感嘆文how delicious (they are)! の省略された主語theyの同格語。

第3段階「ダッシュでコンマは不可」の理由は、コンマだと英文1→英文2の変形展開で関係代名詞節のwhich are省略に見えるから。定形動詞(finite verb)のbe動詞をいきなり省略してダッシュを打つこの大胆な表現展開は、それに見合った表現効果が生じる場合のみ可能な大技。

  • 英文1:
    Big fried almonds coated with rich chocolate, which are indescribably delicious.
  • 英文2:
    Big fried almonds coated with rich chocolate, indescribably delicious.

fried almonds(油でいためた/揚げたアーモンド)は説明の1語を要する表現――fried almondsは一見するとroasted almonds(いったアーモンド)の誤りと思う、しかしそのまま食べるアーモンドはalmondsだけでroasted almondsにきまっている、ことさらfried almondsと表現しているからには「素焼きアーモンド」の向こうを張った「フライドアーモンド」なんだろうと思い直す、しかし1語specially(特別の方法で)を加えてspecially fried almondsと表現しないと誤解を招く独り悦に入った「フライドアーモンド」になってしまう。

  • 訂正文1:
    Big specially fried almonds coated with rich chocolate—how delicious!

Big specially fried almondsは少々混雑気味、そこでBigの後にコンマ、このコンマは技法レベルで文法レベルでは誤り。

  • 訂正文2:
    Big, specially fried almonds coated with rich chocolate—how delicious!

アーモンドが丸ごと入っているアーモンドチョコレートのアーモンドの入り方には2タイプある。チョコレートの中にアーモンドを埋め込んだタイプ(pieces of chocolate with an almond in each)とチョコレートでアーモンドをコーティングしたタイプ(chocolate-coated almonds)――「埋め込み」タイプだとcoated with chocolateは偽り、coated withをenfolded inに代えたalmonds enfolded in chocolate(チョコレートでくるんだアーモンド)は両タイプで使える表現。

  • 訂正文3:
    Big, specially fried almonds enfolded in rich chocolate—how delicious!

friedに1語speciallyを足すのではなく、1語friedを引くとでっかいプラス! ――これで英文キャッチコピーは完成!

  • 訂正文4:
    Big almonds enfolded in rich chocolate—how delicious!

表現感覚にアピールする洗練した表情、造りの美しさ、リズム、そして技あり!

  • 視覚効果: 全体は意味のまとまりをなす長短各1語各2語×4構成。
    • Big almonds
    • enfolded in
    • rich chocolate
    • how delicious
  • 音響効果:
    • 1音節のアクセントのある母音が[i]のBig、richとそれに続く第1音節にアクセントのある名詞almonds、chocolate――アクセントのある音節が2連続する力強いBig almondsとrich chocolateの呼応。
    • 「1音節(rich)+3音節(chocolate)」と「1音節(how)+3音節(delicious)」のリズミカルな連続。
    • 「アクセントのある1音節の語+1語」のBig almonds、rich chocolate、how deliciousの響き合い。
  • ABC効果(視覚&音響効果): 調音済みの文字群「アルファベット」を活用する手法。アルファベットの音響効果が精妙であるごとくABC効果(私の命名)も精妙。
    • A: almonds
    • B: Big
    • C: chocolate
    • D: delicious
    • E: enfolded

以下はcatがJaplishのfishを捕まえた瞬間――catの視点はアーモンドチョコレートのアーモンドの売り込みから「アーモンドチョコレート」というチョコレートの売り込みに移動。

catchyなキャッチコピー:
A dozen pieces of choice chocolate having the core of a big almond—how delicious!
(大きなアーモンドの芯ありの上等なチョコレートが12個、おいしいよ)

choice chocolateは頭韻(alliteration)、ABC効果は、

  • A: A、almond
  • B: big
  • C: choice、chocolate、core
  • D: dozen、delicious
fishyなキャッチコピー:
Big fried almonds coated with rich chocolate indescribably delicious!

「fishy」は「アーモンドチョコレート」の箱に印刷されていたオリジナルのキャッチコピー――誤りを指摘され、今度はコンマでindescribably deliciousを切り離したキャッチコピーが箱を包装するフィルムに出現、これなら再度誤りを指摘されても被害は小さくて済むJaplish対策の知恵。

その後グリコはカラメルでくるんだアーモンドが売りの新手のアーモンドチョコレートを発売、その英文キャッチコピーはもちろん箱を包むフィルムに印刷――その中で「カラメルでくるんだアーモンド」を以下のように表現、

glossy caramelized almonds

caramelized almondを直訳すると「カラメル化したアーモンド」、文字通りに解釈するとalmondをカラメルに変える食品業界のalchemy(錬金術)になるが、実際はカラメルにアーモンドパウダーを混ぜてペースト状にしたもののようで、caramelised almondと成分表示したスイスのチョコレートを食べたことがある。とにかくcaramelized almondはアーモンドの形状をまったくとどめない物質名詞(material noun)で視覚にアピールするglossy(光沢のある)ような代物ではない。

「カラメルでくるんだアーモンド」を売り込む英文キャッチコピーの肝心要の部分glossy caramelized almondsがなんとEnglishにblemish(汚点)のついたJaplish! caramelized → caramel-coatedで訂正1。

  • 訂正1:
    glossy caramel-coated almonds

「光沢のある(glossy)」は客観的で、現実的でお菓子のfantasy(空想)としっくりしない――gleaming(やわらかく光る)は感じのよいことば、中から宝石のようなgleaming caramel-coated almondsの出てくるチョコレートなんてHow fantastic! アーモンドの空想が大きく膨らんで大アーモンドでダイアーモンド、ついにはダイアモンドでダイヤモンド、アーモンドがダイヤモンドに変わるファンタジーのalchemy.

  • 訂正2:
    gleaming caramel-coated almonds

chocolate coated(ロッテ)→chocolate-coated、caramelized(グリコ)→caramel-coated――グリコの誤りは致命傷、それに比すればロッテは軽傷、と言えども経済大国ニッポンの大手菓子メーカー2社がEnglishとJaplishの識別ができない現状は、堂々とJaplishを出品する実状は、その作者がハイフンなる英語の小道具ひとつ使いこなせない現実は、日本がいかに英語小国であるかを如実に語り、かつ象徴している。

いつか、どこかで、誰かがJaplishの英文キャッチコピーを作ったというのはひとつのこと、それが英語教師と呼ばれる人だけでもごまんといるのに、誰の目にもつくところで、いつまでも展示されたままになっているというのは別のこと――確かに、日本を英語小国にしたのは日本の英語教育、これを深く疑ってみる時が来ている。

日本を代表する航空会社の入念に作成した英文コピーの中に文法レベルの誤りが見つかるan English crash least expected(まさかの英語墜落)をan accidentやan isolated incidentで済ますのではなく、a cautionary tale(教訓的な話)の意を込めて「0点の取れる英語のテスト」の誤り訂正問題にした。ライティングの領域まで活躍の場を広げた方々に心から敬意を表するものの、ひとつ大いに気になることは、それに必要なライティング力をどう身につけたのかという現実の問題である。と言うのも、これまでの英語教育(学校教育&民間教育)はライティングといわゆる「英作」の本質的な違い、つまりライティングに必要な能力と「英作」に必要な能力の根本的違いを理解せず、「英作」を「ライティング」と呼んでいるにほかならず、こんなすっぽりライティングが抜け落ちた英語教育しか受けていない人が独力でネイティブ級ライティング力をモノにするのはextremely difficult if not impossibleだからである。おまけに、スピーキング力ではかなりの違いがでる英語圏留学もライティングのレベル(ライティングに初級も中級もなし、ライティングはネイティブ級のみ)では「異変」「激変」は起こらず変化なし、書く機会が増える分「英作」力が伸びる程度。

ライティング力の7要素

  • 文法力
  • 技法応用力
  • 表現感覚
  • 構造感覚
  • 文法感覚
  • 文法&技法レベルの句読運用力
  • 語彙&イディオム力

「英作」力の3要素

  • 文法力
  • 文法レベルの句読運用力
  • 語彙&イディオム力

「ライティング力の7要素」を解説したのが「ライティングの学習&教育の起点」(「サンプル 問題と解説」の「誤り訂正」の解説部分)――ライティングという大人の英語領域に入りたい方はここより入るべし。

文法力を伸ばす前に文法を知る必要があり、技法応用力を発揮する前に技法を知る必要がある。文法と技法の全的習得が必要。

表現感覚&構造感覚がないということは英文のうまい、へたがわからないということ、ということはネイティブの添削指導も功を奏さないということ、ということはライティング講座も「まねごと」「ままごと」「たわごと」になってしまうということ。つまり、「無感覚」のライティング学習は無価値。

表現感覚&構造感覚がつくように指導するためには、すでにデモンストレーションしたように、「なぜそう書くのか」「なぜそう書き改めるのか」のきちんとした解説と、英文を「文法プラス技法」で展開させることが必要――優秀な「解説」と見事な「展開」でライティング指導は大輪咲き。

ライティングのレベルで作成した英文は1センテンスでもライティング、「英作」レベルの英文を100文連ねてもただの「英作」――英文キャッチコピーは1センテンスでも、もちろんライティングの領域。

文法は半可通、技法は無知、英語の3感覚(表現·構造·文法感覚)は無感覚――世の英語学習者にライティング力をつけるということは、文法と技法の全容を実際的に深く、深く実際的に教える中で3感覚を研いでいくということ。つまり英語習得の中でライティング力をつける英語教育(つまりTMシステム)を実践するということ。

語彙&イディオム力は努力の方向が正しければ自然につくものであり、自然につけるもの――英語の原文を和訳で読む不自然も努力不足、どんと時間を使って頭に詰め込んだ単語、イディオムがどんどんそこから抜け出る愚は方向違いの努力。

2つの語彙:

  • 活用語彙(active vocabulary)
  • 認知語彙(passive vocabulary)

ライティングの語彙力は活用語彙、例えばstuff、まず頭の中にあるのはstuffは不可算名詞(uncountable)で*stuffsにならない、しかしfoodstuff(食料)は可算名詞(countable)でふつう複数形foodstuffsで使う、気をつける語法はweatherと同じ、形容詞がついても不定冠詞a、anはつけない、daily stuff(日常事)で*a daily stuffではない。

  • Stuff like that happens.
    (そういうことって、あるんだな)

なんてよく言うが、慣用表現というわけではない、しかしlike thatなしでstuff=stuff like thatの以下は慣用表現。

  • Stuff happens.

飛行機の墜落事故が続いてStuff happens.なら「またか」。例えば活用語彙とはこういうもの。

なんであれ、およそ完成していないのに、進歩前進が絶対必要なのに、いつまでも、いっこうに進歩進化しないものは腐った卵のように中から腐ってくる。英語教育もしかり。

経済大国+英語大国=ニッポン大発展

[問]
以下の文を英訳しなさい。
  • 日本英語(Japlish)は愚のみならず、病める英語教育の一徴候である。
  • 文法レベルの「英作」:
    Japlish is not only foolish but also one symptom of our ailing English education.
  • 「文法プラス技法」レベルのライティング:
    Not only is Japlish foolish, it's also one symptom of our ailing English education.

「文法レベル」は文法レベルであるのみならず欠点もある。

文法レベルの「英作」の2欠点:

  • 品詞の不揃い。
  • 重みの不釣合。

同じ文の要素(ここでは補語foolishと補語one symptom of our ailing English education)を結ぶのが等位接続詞の文法ルール、しかし品詞も揃っている方が造りが美しい――形容詞foolishと名詞symptomで相性が悪い。

1語foolishと7語one symptom of our ailing English educationで釣合も悪い――2つの欠点を克服したのが以下の英文、2つの名詞句補語はそれぞれofの前置詞句を含み対称性も高い、これはライティングのレベル。

Japlish is not only something of a folly but also one symptom of our ailing English education.

「文法プラス技法」レベルのライティングの4技法:

  • 並列 (parataxis)
  • 倒置 (inversion)
  • 同韻語 (rhyme)
  • 文頭not (not as the first word of a sentence)

2節は並列、倒置で同韻語Japlish、foolishが連続するJaplish foolishは主語、補語の連続、文頭Notは文強調のアクセント――とても印象的な第1節Not only is Japlish foolishと第2節は並列、全体は格調の高い英文。

「ライティングとはどういうものだ」と問う人あらば、「文法プラス技法」レベルと文法レベルのこの2文を示し、「2文の間の雲泥の差がライティングだ」と答えればよい。

このページのタイトル「英語のライティング、ライティングで英語」は今や明らか――英語のライティングは文法プラス技法、ライティングで英語の本質「文法プラス技法のことば」は明々白々。

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